疲れ人の贅沢な休日の過ごし方─「銭湯」という思考整理の場|サウナの梅湯 - 下京×銭湯力

休日の脱力感から抜け出せない方へ

日々、仕事や学業で疲れている皆さん。待ちに待った休日をどのようにお過ごしでしょうか。

私は次の休日にはDVDを見よう、掃除をしよう、散歩にでも行こうと計画を立てても、いざ休日になると何一つやる気が起こらない人間です。

むしろサークルの雑務やレポート課題に追われているうちに一日が終わってしまい、夕方はサザエさんを観て謎の脱力感に襲われています。

皆さん、どうですか?ただ悩むだけで時間を過ごしていませんか。もちろん、悩むことは大切なことです。でも、せっかくの休日を家で考え事をして過ごすのは勿体ない。

どうせ悩むにしても、もっと適した場所があるはずです。そんな人生を苦悩する人に今回おススメしたいのが、「銭湯」です。

サザエさんを見終わってからでも遅くはありません。人生の旅人よ、どうせ悩むなら銭湯で悩むべきなのです!



〖サウナの梅湯〗ってどんなとこ??

 今回紹介するのはそんな銭湯のもつ意外な効果を教えてくれる「サウナの梅湯」さんです。

         

熱いッ!これは熱い!!銭湯と言えばこじんまりとしたイメージがあった私にとしてはこの雰囲気は驚きを隠せない。しかも銭湯なのに二階建て⁉

サウナの梅湯という文字がネオンのライトで輝き、存在感のある建物は近隣の雰囲気と上手くマッチしていました。銭湯と言えばお年寄りの場所というイメージがありましが、こちらの梅湯さんはどうやら少し違うようです。

サウナ付き430円でさっぱりできる。近所の常連客や仕事帰りのサラリーマンはもちろん、木屋町で夜通し遊んだ若者たちが土日の朝風呂に吸い込まれていく。

銭湯が多い京都で多様な客層を取り入れているサウナの梅湯さんだが、その秘訣は一体どこにあるのでしょうか。実際になかに入って体験させていただきました。

           

暖簾をくぐって最初に目に入ってきたのは、なんと野菜の無人販売!?

ここは本当に銭湯なのか?私の中で銭湯という概念が一気に崩れ落ちる音が聞こえました。同時に見たこともないこの光景にワクワクが止められません。

周りを見渡せばオジサンたちが風呂上がりのビールを飲み交わし、子供たちが駄菓子を頬張り、お爺ちゃんが野菜を買っている。「ここは複合型アミューズメント施設かよ!」とツッコみを入れたくなるような空間。でも驚きはまだ終わりませんでした。

入浴料は430円。貸しタオル30円、シャンプー30円、ボディーソープ40円と非常にリーズナブルな価格。手ぶらで行っても520円と手軽に入浴が楽しめます。

浴室に入ると、ジェット風呂・水風呂・電気風呂・薬湯・サウナといったラインナップ。そして店内の雰囲気からは一変して、床は茶色のレンガ風のタイルといった洋風な雰囲気を醸し出していました。

そのギャップにまたしてもエモさ感じてしまいました。そして水風呂にはなんと橋が架かっているというエンタメ性の高さ。ここはスーパー銭湯ではありません、まちのお風呂さんですよ!凄すぎる!!

サウナの梅湯ということもあり、サウナのスペースは通常の銭湯よりも広く、ガラス張りとなっているので、開放感の中でより楽しみながら汗をかくことができます。

でも、個人的に私の一番のお気に入りスポットは、電気風呂でした。壁に電気のマークが施されていて可愛かったので、ぜひ実際に行って見てもらいたいです。また、その電気の強さに悶絶してください。(もしかすると梅湯の電気風呂は少し強めに設定しているのかも。)

多種多様なお風呂を楽しんだ後、最後はゆっくりと湯船を楽しみました。お湯の温度に体が慣れてくる頃には心も体もリラックスし、ふと私は将来について考えみたりするのです。

しかし、家に閉じ籠って考えていた時と違い、不思議と暗い気持ちにはなりませんでした。浴室から出るころには、入る前よりも晴れやかな気分になっていました。

〖あなたにとって、銭湯とは?〗

近年、京都の銭湯は廃業の一途をたどっています。それは梅湯も例外ではありませんでした。順風満帆のように見えるサウナの梅湯さんですが、4年前は経営難で潰れかけていたようです。

しかし、後継者問題や機械の老朽化が危ぶまれている中でも、今の若い経営者たちによって様々な困難を乗り越え、経営を軌道に乗せてきました。

店内から浴室に至るまで、センスの良さが至る所で光っていました。入浴だけでなく目で見ても楽しめる「銭湯の梅湯」さん。

最後に少しだけお店の方にお話を聞かせていただきました。


──あなたにとって、銭湯とはどういう所ですか?

梅湯さん:お客さんの視点から言わせてもらうと、それは思考整理の場という風に感じます。一日を整理する場所だと思います。


──整理をする場所ですか。

梅湯さん:はい。銭湯は飲食店と違って人それぞれに入浴する目的が違います。朝起きて仕事前に目を覚ましに来る人もいれば、ルーティンで来ている人もいる。

そして仕事終わりに体の疲れをとって帰る人もいます。風呂上がりにビールを飲む人は、それこそビールを飲むための入浴でもあるんですよ。

あと体が悪い人は健康に気遣って治療目的で来ていると思いますし、学生さんとかだったら裸の付き合いでコミュニケーション的な喋りに来る目的だったり。

なんかそういう目的を持っています。一概には言えないけど全体的に僕は、銭湯は思考整理の場って感じですね。


「サウナの梅湯」がここまで幅広い客層の支持を得ているのは、これが理由なのかもしれない。銭湯を入浴だけの留めて置かない豊かな発想力がここにはあります。

「サウナの梅湯」は銭湯をライブハウスとして貸し出すなど、従来の銭湯では考えられないような施策を行なっており、他にも2階では整体師を呼んで整体を受けられるスペースが完備され、月・水・金・土曜日に深夜に整体師の方が来てくれるそうです。

それぞれの目的で利用する「銭湯」という名の思考整理の場。

仕事や人間関係に疲れて、休日でも思い悩み考え込んでしまう人は沢山いると思います。そんな時は銭湯に来て、ゆっくり湯船に浸かりながら思考整理をしてみては如何でしょう。

かのアルキメデスもお風呂で物理学の法則を発見したそうです。湯船でぼーっとしている状態は決して無駄な時間ではなく、むしろ脳が活性化される大切な時間だと最近の研究では考えられています。

集中力が途切れて思考力が落ちてきたという人は、とにかくお風呂に入りましょう。案外、欲しかった答えはお風呂場に隠れているのかもしれませんね。

「サウナの梅湯」は夜遅くまで営業しており、サザエさんを観てからでも遅くはありません。今日の一日を振り返りながら入浴する銭湯は格別だと思います。そしてそんな休日の過ごした方はきっと贅沢な一日になるでしょう。

人生の旅人よ、どうせ悩むなら銭湯で癒されながら悩むべし!!



『サウナの梅湯』

住所:京都市下京区木屋町通上ノ口上ル岩滝175

営業時間:14:00~23:00、土・日限定 朝風呂6:00~12:00

定休日:毎週木曜日

社会とつながる文学部 Ryukoku Letters +Social

龍谷大学文学部での「学び」を活かし、大学生たちが京都市下京区の「魅力」を独自のテーマで切り取ったオリジナルマップの制作に取り組んでいます。

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