ようこそ壽ビルディングへ!|壽ビルディング - 擬洋の国へ〜fall in〜
ようこそビルディングへ!
「壽ビルディング」は河原町通りに面した、白壁のかわいいオフィスビルです。
外から玄関口を覗くと、向かいの中華料理屋「桃園亭」にある東洋の白い獅子像がガラス戸に映りこむことも。
京都ではかつて、日本最初の(路面)電車「京都市電」が町中を走っていました。河原町通りでは、大正13年10月1日には今出川~丸太町、大正15年7月8日からは丸太町~四条河原町と、路線が順次南北に延ばされていきました。
その市電・河原町線の開通に伴い、河原町通りの周辺にはたくさんのオフィスビルが建てられました。
その中で唯一現存するのが、昭和2年(1927年)に建てられた、「壽ビルディング(旧・商工ビルディング)」です。
参考文献 京都の市電 : 古都に刻んだ80年の軌跡 (立風書房, 1978)
「堅牢」をイメージして造られているため、内外共にシンプルなものとなっています。ですが、細部には近世の彫塑が施されており、建物全体を上品に縁取っています。また、玄関や階段にはアール・デコ風の意匠も見られます。
アール・デコとは、1910〜30年代にかけてフランスのパリを中心に流行した装飾美術です。
19世紀末の主流であった曲線的なアール・ヌヴォーに対する、近代都市に順応した直線的で実用的なデザインが特徴です。
参考 百科事典マイペディア(平凡社)
日本大百科全書(小学館)
2015年11月17日には、国指定の登録有形文化財(建造物)に指定されました。
また同年には、建設当時の状態へと近づけるための改修工事が行われ、そのことをまとめた「壽ビルディング改修工事記録展示」を一階で見ることができます。
参考サイト 国指定文化等データベース(文化庁)
参考文献 京都市の近代化遺産(京都市文化市民局, 2005)
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