幻想的な夜会へようこそ|喫茶ソワレ - 擬洋の国へ 〜fall in〜

はじめに 


高瀬川の傍らには、青いテントと瓦が印象的な喫茶店があります。<喫茶ソワレ>といいます。

「ソワレ」とは、フランス語で“夜会”。“素敵な夜”を意味するそうです。その名の如く、非日常の雰囲気が漂うお店です。

では、どのようなお店なのかオーナーの下山さんにお話を伺いましょう。


↑外からの様子



幻想的で魅了される店内

お店の特徴はなんといっても“青い照明”です。この青い照明は、創業者の元木和夫氏(以下、元木さん)の友人である染色家の上村六郎氏が「女性をより美しく見せるために」と提案されたそうです。

↑店内の様子


現在では当たり前の光景ですが、1948年の創業時から使われ続けている自動ドアは、当時としては珍しく、また高価なものだったそうです。

下山さんがおっしゃっていましたが、元木さんは新しいものが好きで、かつ個性的なものを求めていた方でした。そんな元木さんだからこそ、唯一無二の魅力的なお店ができたのでしょう。

店内には、葡萄の彫刻・向日葵の彫刻・牧神の彫刻など多くの彫刻作品が置かれています。

それらの作品は、彫刻家の池野禎春氏によって作られたものです。向日葵の彫刻は、大きな板に彫られているため迫力があります。

壁には、多くの絵画も飾られています。元木さんが開店以前より集めていた東郷青児氏の作品だけでなく、二科会を中心とする様々な美術家の絵が掛けられています。どの作品も店内の雰囲気にあった落ち着いた作品です。



成立背景について

このお店は終戦から3年後の1948年に創業された喫茶店です。なぜ、そのタイミングでお店が開かれたのでしょうか?

具体的な理由はわからないそうですが、お店を開く前から元木さんは画廊や雑貨に携わっていたこともあり、その延長線として喫茶店を経営することに至ったのではないかとおっしゃっていました。

また、元木さんの交友関係が広かったことで、染色家の上村氏や彫刻家の池野氏の協力を得ることができ、お店を完成させることができたそうです。



時代の流れとともに変わりゆくもの

喫茶ソワレができてから71年、お店に来るお客さんの層は時代の流れとともに変化してきました。

当初は年配の紳士が多かったようですが、二代目オーナー英輔さんの奥様が、女性にも来てもらえるようなお店にしたいということで、1978年にゼリーポンチがメニューに加えられました。

現在ではSNSの影響もあり若い女性が多く来店しています。

社会とつながる文学部 Ryukoku Letters +Social

龍谷大学文学部での「学び」を活かし、大学生たちが京都市下京区の「魅力」を独自のテーマで切り取ったオリジナルマップの制作に取り組んでいます。

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